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あの日、パナマホテルで

「いつもしてきたことをするだけだ。

 苦味(ビター)の中に甘味(スイート)を見つけることだ。」

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ジェイミー・フォード『あの日、パナマホテルで』を読みました。

主人公ヘンリーは、彼が通りかかったパナマホテルで

戦時中に収容所に送られた日系人が

こっそり運び込んが荷物が発見されたという騒動に遭遇します。

パナマホテルはヘンリーにとって

「昔ここで、彼は生涯の恋人に会ったのだ」という場所。

ここから、現在と40年前との時間の交叉が始まります。

彼は中国系アメリカ人の少年。

日系アメリカ人ケイコ・オカベという少女と恋に…

ところが、日本の真珠湾攻撃をきっかけとする

戦争という現実が2人を分かちます。

読み始めた頃は、ともかく文字数が多くって

なかなか読み進まないものだから

挫折しそうにもなりました。

それでもめげずに読んでいくと

どんどんと物語の世界の中に入っていきました。

ヘンリーは収容所にいるケイコと

手紙のやりとりを続けるもののだんだんとそれも…

「時間の空白は距離を作ってしまうことを、

 ヘンリーは知り始めていた―

 ふたりを隔てている山脈や時間帯よりもずっと遠い。

 本当の距離。

 胸がうずき、想いを馳せる心をくじくほどの距離。

 これほど想い焦がれていると、深い想いは痛みに変わる。」

訳語ではありますが

ボクの心の奥深いところをチクリと突き刺します。

理性ではどうにもならない想い…ってありますよね。

書店でたまたま手に取った本を

タイトルにひかれて、古書で買い求め

最初は辛かったけれど

また、少々予定調和的な感もありますが…

こういう本(ストーリ)との出会いもいいでしょう。

ただひとつ分からないことが…

ヘンリーは後にボーイング社に勤めます。

ボーイング社といえば、あのB-29を作った会社です。

長崎・広島に新型爆弾を落としたのもB-29…

日系アメリカ人はやはり日本人ではないってことで

戦争が終わったのは

新型爆弾のおかげ…ってことなのかしら。

ちょっとボクには理解のできないところでした。

ちなみに、タイトルの「パナマホテル」は実在するホテルで

しかも

37家族の日本人の持ち物が

埃っぽくって薄暗い地下室に残されているのだそうです。

「時として、

 人生には二度目の機会(セカンド・チャンス)というものはないんだ。

 失ったものではなく、自分の手の中にあるものをみつめ、

 前へと進むんだよ。」

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。

いつも、ぴかりんさんの本の感想を読むだけで、感動してしまいます。

まるで「あとがき」みたい。

私は本を読んだ後、あとがきもとても楽しみなんです。

映画はハッピーエンドが多いように思えますが、(特に洋画は)小説は辛い結末も多いですね。

失ったものは追ってはいけないんですね。
今手の中にあるもので満足しないと・・・。

なるほどね~。

投稿: 月の裏側 | 2013年3月14日 (木) 23時02分

@月の裏側さん

小学校の低学年の頃、読書感想文の宿題が大キライ―そもそも本を読むのがイヤだったのです―で、母の監督のもと泣きながら課題図書を読んで、感想文を書いたものです。

そうですね、特にヨーロッパの方の作品にはハッピーエンドに終わらないものありますよね。

ボクも「あとがき」が好きです。
でも、今読んでいる本には「あとがき」がないの…

投稿: ぴかりん | 2013年3月15日 (金) 05時45分

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